葬儀とお墓の知識

お墓の形態について

角柱塔(和型):今日最も多く建てられている三段墓の石塔
我が国の民俗学において両墓制 三昧(埋め墓)と清墓(参り墓)という習俗があり、 江戸時代幕府の宗教政策によって檀家制度が確立され、 仏壇の普及浸透に伴い清墓(参り墓)において位牌型の墓が建てられるようになってきました。
明治時代
戸籍制度が制定され「家」の意識が芽生え「○○家之墓」「○○家先祖代々之墓」が 数多く建てられるようになり現在に至っています。 カロートの設置、明治以降「墓埋法」の制定により、 焼骨埋納が奨励され一基の墓に数霊合祀されるようになり、必然的にカロートの設置が普及しました。 家紋(本来の種子梵字に代わり)の彫り込み、「家紋」は江戸時代に大成されますが、 武士の家紋、商家の「屋号紋(商標)」のほか、遊女が「家紋」を入れた墓もあります。

五輪塔:日本の宗教界独自の形態
五輪塔の形の由来は、9世紀の終わり頃、中国より経典として我が国に伝来したが、 日本の宗教界独自の形態のもので、陰陽道(五行説)で考える宇宙の構成要素である 五大(地水火風空)の教理を理解させるために用いられたものでした。 伝来当時は、石塔とはまったく結びついていなかったのですが、 この五大というのは、五行でいうところの万物を構成している構成要素であり、 万物が地水火風空の五つに因って構成されているという考え方です。
つまり、五行では万物の様相や現象と、その関係をとらえて、 「地」のように堅いしっかりとした性質、「水」のように流れ、 どこにでも収まるせい性質、「火」のように燃え上がり熱を持つ性質、 「風」のように収縮作用を持つ性質、そしてこれらの四つを、 空間という関係でシステム化する作用の「空」の性質にて、 五つの要素の、すべてを支配しえるという考えです。 現在の科学では、物質を細分化していき、分子あるいは元素から、 すべては成り立っていると考えていますが┅┅┅┅。 私たち人間も、これらの五つの作用で生を営んでおり、 この五大の集散、離合、輪転によって万物が生じるところから、五大または五輪と言われています。
この五大を象徴的に現したものが、経典に示されている五輪図で、 その形象を組み合わせて作られた塔であるがゆえに、五輪塔というのが一般の説です。

宝篋印塔:この世では安穏、後生(死後)は極楽に住む事(往生)を願い、 宝篋印陀羅尼経を納める仏塔
初期の頃は、宝篋印陀羅尼経を納める塔(経塚)、後には供養・墓碑塔として建てられた。
宝篋印塔のはじめの建立の目的は、墓碑としてよりも、 そもそも宝篋印陀羅尼経を納め福徳息災を祈った塔であるから、供養塔・墓碑ではなかったことはたしかです。
インドのアショカ王の故事にならって、呉越王銭弘俶が955年八万四千塔の造塔を発願し、 世界各地におくり10年にして成就したと言われているが、 我が国には956年、中国に渡った僧、日延によって、その金塗銅塔が請来され、 日本での宝篋印塔の原型は、その塔であるといわれている。 その当時呉越王と藤原時平・仲平・実頼・師輔の間に文通があり、同国との交流も密であったので、 この種の塔は、そのほかにも我が国に多く請来されています。
この宝篋印塔を模して石塔が建立されるのは相当時代も下がってのことである。 この時代(平安時代)は末法思想が広まり人々は不安に動揺していたため、 極楽浄土に成仏往生を得たいとして、造仏・造塔・写経が盛んに行われた。
呉越王 銭弘俶(929〜988)の八万四千塔を原型に、鎌倉時代以後、一定の形式が成立した。 陀羅尼経で説かれている功徳によって、諸願成就・増福延寿・除禍等、諸般の願いが叶う仏塔。
宝塔:信教の極み「衆生救済」の仏塔
『法華経』見宝塔品第十二に説かれる「宝塔は多宝仏の全身(舎利)であることから、 釈迦滅度後、ストゥーバそのものを、「宝塔」と云う言葉でシンボル化し、 釈迦そのものとして「法身化」的な崇拝の対象となりました。
『密教』弘法大師空海が高野山に宝塔(多宝塔)を造立するとき、これを「法界体性塔」と名付けました。
※法界体性塔とは、「地・水・火・風・空・識」の「六大」のことで、 大日如来の象徴である「三昧耶身」、つまり「六大法身」のことをいいます。 空海は、その著「性霊集」第八(勧進して仏塔を造り奉る知識の書)に 「毘廬舎那(大日如来)の法界体性塔二基及び胎蔵・金剛両部曼荼羅を建て奉る」とあり、 仏道を完成させるためには、高野山金剛峰寺に仏塔を建て、仏像を造ることが肝要であると説いています。

大地から美しい宝塔が湧き出したことについて、 釈尊は、「この宝塔の中に如来の全身がいる」と説かれています。
世の中に真理の教えはたくさんあるが、それらはすべて、真理の部分を説いたものであります。 ところが、人間の本質は仏性であると説きます。 「法華経」は、智慧の真理を統合した教えであるといって良いでしょう。 それゆえに、「法華経」が説かれるところには、多宝如来が出現し、 その事実を証明し、説く人を賛嘆すると言われます。
また、宝塔の中には多宝如来と釈迦牟尼如来が並んで坐っている(二仏同座)ことの意味は、 「真理そのものの尊さと、真理を説く人の尊さは、まったく同格である」という象徴であると言えるでしょう。
すべての人間・万物:森羅万象に具わっている「仏性」を具現化したそのもの。 釈迦滅度後の末法世界から、「二仏同座」を形象化(宝塔)し、礼拝することによって、 多宝如来、釈迦牟尼如来の「絶対の真理」を悟り、大慈大悲を持って衆生救済を願う。
いいかえれば、現在の混沌たる世界から、手を合わせ、供養する事で、 現世の苦しみの救済を願う仏塔である。
永代供養(合祀)墓:現在の世相を反映して、 核家族化・少子化・絶家(祭祀継承者の絶えた家)の合理的な祭祀・供養形式の墓所。
主に宗教法人や非収益法人にて運営されております。
形態として、遺骨保管形式・一定の期間遺骨保管形式・集納骨形式等様々なパターンがあります。
森羅万象地球上に於いて全ての生き物の中で、死別したものに対して愛惜の情や 敬慕の情即ち供養・回向の心を持っていますのは人間のみです。 その行為をどのような形であれ、執り行う施設がこの永代供養(合祀)墓です。
個人墓:社会情勢を、反映した現代の墓石。
個人主義の台頭、大家族制度の崩壊(主婦の嫁家での隷属の崩壊)、 夫婦別姓の法令化、離婚の増大等、社会情勢を、反映した現代の墓石。
デザイン墓:自由な発想表現から生まれたメモリアル ストーン(顕彰碑)
既存宗教(檀家制度の崩壊)からの離脱、希薄な親戚関係、葬礼儀礼の変革に伴い、 亡き故人を偲び故人にゆかりもののデザイン化したものや、 故人の「座右の銘」・好きな語彙・漢字を彫り込まれる場合が多くみられます。
欧米風(芝生墓地)・ガーデン墓地に設置されております。
TOPへ戻る